2012年6月7日木曜日

ネットのお作法 (1)

以前、主人公がふとしたことで、人の心が透けて見えるという能力を持ってしまうという映画がありました。

周りの人の心の声が聞こえてしまうのです。

にこやかに握手している相手が、心の中では「コイツ、嫌味なやつだな」と言っているのが、主人公には聞こえてしまう。

自宅で妻と二人でテレビを見ていると、「もうこんな暮らしは我慢ならないわ!」という妻の心の声が聞こえてしまうんです。

もうこうなったら、人間関係はめちゃくちゃです。主人公もそのストレスに耐えきれなくなり・・・。

人の心が見えてしまうなんて、超ド級の恐怖映画ですよね。

私は10年以上、コミュニティの運営に携わっていますが、現実ではありえないようなすばらしい出会いに恵まれる一方、ネット特有の問題にも遭遇します。

それが、この、心の中が透けて見えてしまうという問題です。

ネットのお付き合いは、基本的に文字だけのコミュニケーションです。相手の姿も見えません、声も聞こえません。そこには、あきらかに身体性が欠如しています。

暗闇にいる、誰だかわからない人物から、テキストだけが送りつけられてきます。

相手の姿も見えない代わりに、自分の姿も隠されている。

この、身体性の欠如と匿名性というところに、様々な問題が発生してきます。

(続く)


0 件のコメント: