どっしりとしたカメラを胸の辺りにかまえ、こちらを見てニッコリ笑うとてもチャーミングな女性。
それが女性報道写真家の笹本恒子さんです。
この9月で98歳を迎えられました。
ご著書でもテレビでも拝見するお姿は、大ぶりのアクセサリーがよくお似合いになる、とてもお洒落な女性です。
若いころから当時としては珍しい女性カメラマンとして、報道の現場を取材されてきた笹本さんは、100歳近い高齢者のイメージを一新しました。
これまで100歳といえば、歯もなく、腰は曲がり、杖をついてやっと歩いているというイメージか、もしくは認知症で寝たきりという、あまりポジティブなイメージではありませんでした。
それを、世間がびっくりするようなさっそうとした姿で登場したのですから、メディアがほおっておくわけはありません
彼女の素晴らしいところは、あのお歳でお洒落を決して忘れないということでしょう。
ご自身、しばらく洋裁のお仕事もしていらしたということですから、センスはプロ並みです。
普通はどの世代でも敬遠してしまいそうなはっきりした原色のウエアが、笹本さんの手にかかると、みごとに98歳にフィットして、元気ではつらつとしたイメージを作り出します。
眼から鱗です。
最近、町を歩いていると、笹本さんに影響されたのか、きれいな色調のウエアをお召しのシニア女性をよく見かけます。
私も、赤やピンクのスカーフを胸元にあしらって、町へ出かけようかな、なんて思っています。
もう、つけないだろうと引き出しの奥のほうにしまって忘れていた大ぶりのイヤリングを、そっと取り出して、鏡の前で耳に当ててみたりもしていますが、さあ、これはどんな時につけましょうかと、思案しております。
人と違うことをするのは、なかなか、勇気がいるものですが、98歳の笹本さんだってつけているんだから、35歳以上も若い私がつけておかしい訳はない、なんて理屈が通用するのが、うれしいですね。
笹本さん、ありがとう。
これからももっともっと活躍なさって、私たちシニアの星になってくださいね。